亡くなった親の家を売るにはどうすればいい?手続きの流れや税金について解説

亡くなった親の家を売るにはどうすればいい?手続きの流れや税金について解説

亡くなった親の家を売るときは、手続きの流れやかかる税金について事前に把握しておくことが大切です。

相続は突然発生するものですが、何をするべきかが分かっていれば、慌てることなく落ち着いて対処できるでしょう。

本稿では、亡くなった親の家を売るときの具体的な手順、必要な手続きについて、分かりやすく解説します。

亡くなった親の家を売るまでの流れ・手続き

亡くなった親の家を売るためにやるべきことは、大きく分けて「相続」「売却活動」「税金の申告・納税」の3つです。

まずは、相続から売却までの流れ、必要な手続きについて解説します。

遺産分割協議



兄弟など、亡くなった親の相続人が複数いる場合、まずは、「誰が、何を相続するのか」を決める遺産分割協議を行います。

遺言書がある場合はそれにしたがって財産を分割していきますが、遺言書がない場合は相続人全員で話し合い、お互いが納得する分割方法を決める必要があるのです。

現金や預貯金であれば1円単位で平等に分けることも可能ですが、不動産の場合は物理的に分けることはできません。

そのため、以下の4つの分割方法で分けるのが一般的です。


現物分割



現物分割とは、不動産を分けずにそのまま相続する方法です。

住んでいた家以外に株式などの有価証券、自家用車などの財産がある場合は、長男が家、次男が株式、長女が自家用車…という形で分けていきます。

代償分割



代償分割とは、特定の1人が不動産をそのまま相続する代わりに、他の相続人に対して代償金を支払って清算するという方法です。

相続する財産が不動産のみで、かつ親が住んでいた家に相続人の1人が住みたいという場合は、代償分割が適しています。

換価分割



換価分割とは、不動産を売却して現金化し、その売却代金を分けるという相続の方法です。

不動産を分割するのは難しいですが、現金なら1円単位で平等に分けることも可能です。

ただし、不動産の売却にあたっては、相続人全員の同意が必要となります。

誰か1人が勝手に売ることはできないので注意しましょう。

共有分割



共有分割とは、相続人それぞれの持分を取り決めたうえで、相続した不動産を共同所有するという方法です。

分割割合は自由に決められるため、複数の相続人で平等に分けることも可能です。

ただし、将来その不動産を売却したいと思ったときは、全員の同意が必要となります。

相続登記(名義変更)



亡くなった親の家をどう分けるかが決まったら、次は相続登記(名義変更)が必要です。

不動産の相続登記は以下の書類を用意して、管轄の法務局で行います。

  • 亡くなった親の戸籍謄本
  • 相続する人の戸籍謄本及び印鑑登録証明書
  • 遺産相続人全員の住民票
  • 遺産分割協議書


相続登記は自分でもできる手続きですが、司法書士などの専門家に依頼することも可能です。

不動産会社を探す



亡くなった親の家を売るにあたっては、不動産会社を探す必要があります。

不動産仲介会社に依頼して買い手を探してもらうのが一般的ですが、今すぐ売りたい場合は不動産買取という方法もあります。


いずれの場合も、複数の会社に査定を依頼したうえで、信頼できる不動産会社を見つけることが大切です。

また、近隣の不動産相場を自分でも調べておくと、不当に安い金額で契約してしまうなどのトラブルを防ぐことができます。

売却活動開始



亡くなった親の家の売却を不動産仲介会社に依頼する場合、チラシを制作したり、不動産情報サイトに掲載したりなどの広告については仲介会社が行います。

しかし、できるだけ高く買ってもらうためには、売り手側としての準備も必要です。

例えば、用品を処分して家を片付けたり、きれいに掃除をしたりしておくと、内覧時の第一印象を良くすることができます。

また、亡くなった親が住んでいた家であれば、遺品整理なども進めておきましょう。

売買契約書の締結



売却活動によって買い手が見つかったら、売買契約書を締結します。

不動産仲介会社によっては、売買契約と同時に仲介手数料の半金を請求される場合もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。

仲介手数料の支払タイミングには、以下の2パターンがあります。

  • 決済(引き渡し)時に一括
  • 契約時に50%、引き渡し時に50%


仲介手数料の金額の相場、内訳などは以下の記事で詳しく解説しているので、こちらも参考にしてみてください。

マンション売却の仲介手数料はいくら?内訳や相場、安く抑える方法を解説

物件の引き渡し・決済



物件の引き渡しは、売買契約締結からおよそ1~2ヶ月後が目安とされています。

亡くなった親の遺品は、その日までにすべて整理しておきましょう。

物件の引き渡しとは、すなわち鍵の引き渡しのことです。合鍵なども含めて、買主に渡すようにしてください。

また、売却代金の決済は物件の引き渡しと同時に行われ、仲介手数料の支払もこのタイミングで行います。

亡くなった親の家を売るときに必要な税金手続き

亡くなった親の家を売るときは、税金に関する手続きも忘れてはいけません。

どんな手続きがいつまでに必要か、いくらの税金がかかるのかをあらかじめ把握したうえで、遅れることがないように準備を進めておきましょう。

相続税の申告



亡くなった親の家を相続したら、相続税の申告手続きが必要です。

相続税の申告は、相続が発生したことを知った日から10ヶ月以内に、相続人本人が行うことが定められています。

亡くなった親の家が0ヶ月以内に売れれば、売却代金を納税資金に充てることができますが、売却のタイミングによっては先に相続税を支払わなければならないケースもあるので注意が必要です。

確定申告



亡くなった親の家を売って利益(譲渡益)がでた場合は、確定申告が必要です。

確定申告は、家を売却した翌年の2月中旬〜3月中旬の定められた期間に、相続人本人が行います。

確定申告の手続きは、必要な書類を準備して税務署に持参するか、e-Taxでの手続きも可能です。

また、亡くなった親の家を売る場合は、以下のような特例を適用できるケースもあります。

  • 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特例
  • 10年超所有軽減税率の特例
  • 居住用財産の買い替え特例
  • 空き家売却の特例


事前に把握したうえで上手に活用すると、税金負担を抑えることができるでしょう。

亡くなった親の家を売るときの注意点

亡くなった親の家を売る場合、相続登記や相続税の申告、譲渡所得税の確定申告など、初めての人には難しい手続きがいくつも必要になります。

特に、特例を使った節税対策をする場合には、専門家に相談しながら行うと安心です。

また、亡くなった親が残してくれた家をできるだけ高く売るには、信頼できる不動産仲介会社を見つけることが大切です。

不動産会社選びや売却活動についても、専門家に相談しながら進めたほうが安心できるのではないでしょうか。


東急株式会社の「住まいと暮らしのコンシェルジュ」は、不動産の売却活動を中立の立場でサポートする無料相談窓口です。

宅建士や建築士などの資格を持ったスタッフや実務経験のあるスタッフが数多く在籍し、売却を進めるうえで心配なこと、不安なこともお気軽にご相談いただけます。





税金の手続きはもちろん、お客様の要望に合った不動産会社の紹介も可能なので、ぜひご活用ください。

亡くなった親の家を売るならコンシェルジュに相談しよう

亡くなった親の家を売るためには、「相続」「売却活動」「税金の申告・納税」という3つの手続きが必要です。

あらかじめ手順や流れを把握しておくと、慌てずに落ち着いて進めることができるでしょう。

また、初めてのことばかりで不安なときは、専門家に相談しながら二人三脚で進めるのもおすすめです。


東急不動産の「住まいと暮らしのコンシェルジュ」は、宅建士などの専門家が、お客様の売却活動を無料でサポートさせていただくサービスです。




200を超える提携パートナーの中から、適切な不動産会社を紹介することもできるので、ぜひお気軽にご相談ください。