空き家はリフォームしないと貸せない?賃貸の新しい活用方法とは?

空き家はリフォームしないと貸せない?賃貸の新しい活用方法とは?

本稿の概要
⏵空き家は「短期貸し」で仮住まい需要に応えることで、固定資産税や維持費を補いながら収益化できる。
⏵オーナーの「貸すための初期費用」を抑えることができる新しい選択肢を紹介。
⏵中・長期貸しや駐車場利用など多様な活用方法もあり、専門会社等に相談することで安心して進められる。

親から家を相続したけど、住む予定がない」「管理が手間で困っている」「とは言え、将来住むかもしれないので売りたくない」「貸したいけれど、大々的にリフォームしないと貸せないのでは?」…… そんなお悩み、ありませんか?

オーナー負担を減らして貸す方法を2つご紹介します。

1つ目は、空き家は「短期で貸す」という活用方法です。建て替えやリフォームの間に仮住まいを探す人は意外と多く、常に一定の需要があるのです。

しかも、短期契約ですので将来の住み替えや建て替えの予定とも両立可能です。

2つ目は、金銭的な負担なくリフォームして貸す方法です。空き家を眠らせるのではなく、収益化しながら大切に守る ―― その方法を、これからご紹介します。

空き家の「短期貸し」とは

空き家の「短期貸し」とは、長期の入居を前提とせず、一定の期間だけ人に住んでもらう仕組みです。

「いずれ住む予定がある」「建て替えを検討している」など、オーナーの事情に合わせて柔軟に活用できる点が特徴です。

ここでは、その具体的な利用シーンや仕組みを見ていきましょう。

「短期で貸す」ってどういうこと?



空き家の短期貸しは、一時的に住まいが必要な人に対して物件を貸し出す方法です。

通常の賃貸契約のように数年単位で住み続けるのではなく、数か月から1年程度で契約が終了するため、オーナー側の事情に合わせやすいというメリットがあります。

▼どんな需要があるの?


そもそも、短期貸しが成り立つ背景には、どんなニーズがあるのでしょうか?

もっとも多いのは、自宅の建て替えやリフォーム工事の間に「仮住まい」が必要になるケースです。駐車場付きやペット可といった、仮住まいならではのニーズもあります。

また、数か月間の赴任や留学といった、生活期間が決まっている人の需要もあります。マンスリーマンションやホテルよりも、広々と暮らせる一戸建てを好む人は少なくありません。

しかし、「短期貸し可」の物件は少ない傾向にあります。だからこそ、このようなニーズに応えることで、空き家を収益化できるだけでなく、住まいを探す人の助けにもなります。

▼どんなスキームなの?


短期貸しでは、通常の賃貸契約とは異なり「一時使用賃貸借契約」を用いるケースが多く、借地借家法の適用外となります。契約期間が満了すれば更新されずに終了します。


そのため、立ち退きトラブルの心配が少なく、「いつか住みたい」「将来的に建て替えたい」と考えるオーナーでも安心して貸し出せます。

空き家を短期間だけ貸し出す仕組みは、オーナーの事情と借り手のニーズをうまく結びつける方法と言えるでしょう。

空き家オーナーのリアルなお悩みに対応



空き家の短期貸しは、オーナーが抱えるさまざまな悩みに応えられます。いくつか例をご紹介します。

▼心配1:いつか住む、または売却・建て替えの予定がある


「相続した実家を将来建て替えたい」「いずれ子どもに譲りたい」「転勤で一時的に空き家になった」―― そんな場合でも、短期貸しなら入居期間を区切って安全に収益化できます。

▼心配2:居座りや立ち退きトラブルが心配


長期賃貸でトラブルを経験し、再び貸すのをためらうオーナーもいます。短期貸しに使う「一時使用賃貸借契約」はあらかじめ設定した満了日で契約が終了するため、安心して運用できます。

▼心配3:多額のリフォーム費用をかけたくない


古い物件を長期で貸す場合は、「住み心地」を改善するために大規模リフォームが必要なケースも。短期貸しは「仮住まい利用」が前提ですので、最低限の修繕や清掃だけで始められます。

▼心配4:空き家を放置したくない


「思い入れがある家を手放したくないが、管理が大変……」という悩みもよくあります。短期貸しなら人が住むことで換気や手入れが自然におこなわれ、建物の劣化防止につながります。

▼心配5:一般の管理会社に断られた


築年数が古い住宅の短期貸しは、賃貸管理会社から管理受託を断られるケースもあります。短期貸しに特化した会社なら、そうした物件もサポートを受けながら運用可能です。

これらの理由から、「長期では貸せない」と感じているオーナーにとって、短期貸しは収益化とリスク回避を両立できる方法になり得ます。

東急株式会社「住まいと暮らしのコンシェルジュ」では、仮住まい専門の管理会社と連携し、短期貸ししたいオーナーをサポートしています。気になる方は、お気軽にお問い合わせください。

空き家の「短期貸し」のメリット・デメリット

空き家をそのままにしておくより、短期で貸し出すほうがオーナーにとって多くのメリットがあります。一方、知っておきたいデメリットもあります。

ここでは、代表的なメリットとデメリットをご紹介します。

短期貸しならではのメリット



まずは、メリットからご紹介します。

  • 短期間でも収入が得られる
  • 大規模な初期投資を避けられる
  • 空き家が傷みにくい
  • 契約終了時期が明確で安心

順番に、詳しく解説します。

▼短期間でも収入が得られる


空き家を所有しているだけでも、固定資産税や維持管理費用はかかります。短期貸しをすれば、その負担を家賃収入でカバーし、使っていない期間を有効活用できます。

▼大規模な初期投資を避けられる


長期賃貸では大規模リフォームが求められることもありますが、短期貸しの入居者は「仮住まい」が目的。最低限の清掃や修繕で貸し出せるため、大きな出費を避けられます。

▼空き家が傷みにくい


誰も住まない空き家は、湿気やカビで傷みが進みがちです。人が暮らすことで自然に換気や掃除がおこなわれ、建物の劣化を防ぎやすくなります。

▼契約終了時期が明確で安心


普通賃貸借契約では、退去交渉に手間取ることがあります。一方、短期貸しで用いる「一時使用賃貸借契約」は期間満了で終了。オーナーは、将来の計画に合わせて安心して運用できます。

デメリットと対処法



空き家の短期貸しにはメリットが多い一方で、注意すべき点もあります。ただし、事前に対策をしておくことで、大きなリスクに発展する心配が少なくなります。

主なデメリットは以下のとおりです。

  • 入居と退去がやや頻繁になる
  • 入居者とトラブルになる可能性もゼロではない

それぞれ、詳しく解説します。

▼入居と退去がやや頻繁になる


短期契約のため、頻繁に入居と退去が繰り返され、その度に新しい借り手を探す必要があります。その間に空室期間が発生し、収入が一時的に途絶えることも。

対策としては、仮住まい専門のサービスや管理会社に依頼し、効率よく入居者を募集するのが有効です。

▼入居者とトラブルになる可能性もゼロではない


短期間の賃貸とは言え、家賃の滞納や退去時の汚れ・破損といったトラブルが起こる可能性はゼロではありません。

対策として「契約内容を明確に定める」「家賃保証会社を利用する」「専門の管理会社に委託する」などの方法でリスクを軽減できる可能性があります。

リスクを理解し、事前に備えておくことで、オーナーの負担はぐっと軽くなります。

空き家の「中・長期貸し」という選択肢も

空き家の活用方法は短期貸しだけではありません。数年単位で貸し出す「中・長期貸し」という選択肢もあります。長ければ、10年スパンの安定収入を見込むこともできます。

空き家の中・長期貸しとは



空き家の「中・長期貸し」は、一般的な賃貸住宅として貸し出す方法です。中・長期で貸すことができれば、短期貸しのように頻繁に入居者を探さなくてよくなります。

一方、借り手がそこで長期間暮らすため、快適に過ごせるように一定のリフォームが必要になります。また、入居者と普通賃貸借契約を締結する場合は、基本的に自動更新となります。

中・長期貸しの場合は、事業者に貸す方法もあります。たとえば、空き家を店舗や宿泊施設、シェアハウスなどに活用したい人に貸すケースです。

この場合、借主自身などに使い道に応じてリフォームしてもらうことで、オーナーの初期負担を抑えられます。ただし、用途転用にあたり法的な手続きが要る場合もあり、その点は留意が必要です。

リフォーム資金や運営の負担なく中・長期貸しする方法



空き家を中・長期貸しに活用する場合は、「大規模なリフォームと、その資金が必要になるのでは?」「運営も大変では?」と心配される方が少なくありません。

ご安心ください。最近では、リフォーム工事や賃貸募集までサポートしてくれるサービスが登場しています (建物の状況によっては、一部費用負担が発生する場合があります)。

仕組みは、以下のとおりです。

  • 空き家所有者とサービス提供会社が契約
  • サービス提供会社が改修工事・賃貸募集を実施
  • 所有者は、賃料の一部が得られる
  • 活用契約期間の終了後は物件がそのまま戻ってくる

このようなサービスを利用することで、空き家のオーナーは、大きな初期投資をせずに収益化しながら建物を維持できます。

東急株式会社「住まいと暮らしのコンシェルジュ」は、このような中・長期貸しに対応できる複数の会社とも提携しています。

「短期貸しや中・長期貸し、うちの空き家でもできるかな?」「一度、詳しく話を聞いてみたい」と思った方は、お気軽にご相談ください。

まとめ:空き家は「眠らせる」より活かす時代

空き家は固定資産税がかかるだけでなく、管理の手間もかかり、放置しておくと建物の劣化が進んでしまいます。一方、短期貸しなら収益化しながら建物を守れます。

「売らずに持ち続けたい」と考えるオーナーは、ご紹介した2つの選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。空き家を手放すことなく活用しながら、安心と収入を同時に手に入れられます。
空き家は「眠らせる」より活かす時代
東急株式会社「住まいと暮らしのコンシェルジュ」では、仮住まい向けの短期貸しはもちろん、中・長期貸しにも対応できる複数の会社と提携しています。

さらに、「駐車場として貸したい」「空き家の巡回をお願いしたい」といったご要望にも幅広く対応可能です。状況に応じて最適な方法をご提案しますので、まずはお気軽にご相談ください。