4LDKマンションは、3LDKや2LDKのマンションに比べて、売れにくい傾向にあります。実際に、「4LDKマンションが売れなくて困っている」という方もいるのではないでしょうか。
この記事では、4LDKマンションが売れないのはなぜなのか、原因と対策について分かりやすく解説します。
4LDKマンションとは
4LDKマンションとは、リビング、ダイニング、キッチンの他に部屋が4つある間取りのことです。
「LDK」のLはリビング、Dはダイニング、Kはキッチンを表し、キッチン横などにあるパントリー(食材収納庫)やウォークインクローゼットは、4つの部屋には含まれません。
また、4LDKマンションの一般的な広さ(専有面積)は、70〜120㎡程度です。
4〜5人家族や二世帯で生活するのに適した間取り・広さと言えるでしょう。
4LDKマンションは希少性が高く人気の間取りです。
しかし、3LDKや2LDKのマンションと比べると需要は少なく、中古マンションの場合、間取りやエリア、築年数など、物件の条件によって売れる・売れないは変わってきます。
4LDKマンションは売れない?
4LDKマンションは、本当に売れにくいのでしょうか。
公益財団法人東日本不動産流通機構が公表している「年報マーケットウォッチ2022年度」で、中古マンションの間取り別の取引件数(成約件数)を調べてみましょう。
以下は、首都圏における過去5年分の成約件数データです。
【中古マンションの間取り別成約件数[首都圏](過去5年分)】
ワンルーム | 1DK・1LDK | 2DK・2LDK | 3DK・3LDK | 4DK・4LDK | 5DK・5LDK以上 | |
2018年度 | 1,669件 | 5,712件 | 10,053件 | 17,621件 | 2,495件 | 51件 |
2019年度 | 1,627件 | 5,693件 | 10,199件 | 17,950件 | 2,382件 | 61件 |
2020年度 | 1,507件 | 5,353件 | 10,026件 | 17,692件 | 2,423件 | 48件 |
2021年度 | 1,636件 | 5,851件 | 10,178件 | 17,671 件 | 2,440件 | 52件 |
2022年度 | 1,654件 | 6,050件 | 9,757件 | 15,797件 | 2,062件 | 61件 |
確かに実際のデータを見ると、4LDKマンションの成約件数は、3LDK・2LDKに比べて著しく少ないことが分かります。
しかし、もともと4LDKマンションは、3LDK・2LDKに比べて希少性が高いため、取引件数が少ない=売れないとは言い切れません。
実際に取引されている4LDKマンションも多数あるため、成約件数だけで「売れない」と諦める必要はないでしょう。
4LDKマンションが売れない原因
4LDKマンションが売れないと言われる主な原因は、以下の通りです。
販売価格が高額になりやすい
4LDKマンションは部屋数が多く、専有面積が広い分、3LDK・2LDKマンションに比べて販売価格が高くなります。
中古マンションの購入希望者は、あらかじめ予算を決めて物件を探すケースが多いため、高額な4LDKマンションは検索条件で外されてしまう可能性が高く、問い合わせ自体も少ない傾向にあるのです。
少子化・核家族化の影響
4LDKマンションの間取りは、リビング・ダイニング以外に4つの部屋が存在します。
夫婦2人暮らしや子ども1人の3人家族の場合、部屋数が多すぎると感じるケースも多く4LDKマンションは子ども2~3人の4~5人家族、二世帯家族といった需要に限定されるのが現状です。
しかし、子どもが2人以上いる家庭は年々少なくなっており、令和4年度における日本の出生率(合計特殊出生率)は「1.26」です。
※15〜49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの
出典:厚生労働省「令和4年人口動態統計月報年計(概数)の概況 」
さらに近年の核家族化(両親と同居する世帯の減少)を踏まえると、4LDKマンションの需要は決して高いとは言えないでしょう。
一戸建てが競合になる
4LDKマンションの購入希望者は、「同じ広さ・価格なら一戸建てに住みたい」と考えるケースも少なくありません。
マンションは、セキュリティや共有の設備が充実しているというメリットがある一方で、修繕積立金や管理費用がかかるというデメリットもあります。
販売価格とのバランスによっては、一戸建てに買い手が流れてしまうこともあるでしょう。
一戸建ても競合になる4LDKマンションは、3LDK・2LDKマンションに比べると売れにくくなります。
4LDKマンションをスムーズに売るための対策
売れにくいと言われる4LDKマンションも、事前に対策を講じることでスムーズに売れる可能性があります。
ターゲットを絞り込む
4LDKマンションの売却時には、ターゲットの絞り込みが重要です。
主に、以下のような方が対象となるでしょう。
- 4〜5人以上の家族
- 親世代と同居できる住まいを探している
- テレワークのために仕事部屋が欲しい
- 趣味専用の部屋が欲しい
- 自宅での開業を考えている
家族の人数が多い世帯だけではなく、美容サロンやピアノ教室など、自宅での開業を考えている方は4LDKの間取りを希望する場合があります。(ただし、マンションの管理規約で「専有部分の住居以外の使用が禁止」されている場合もあります)
また、意外と多いのが、「和室が欲しい」というケースです。
和室がある4LDKマンションなら、アピール次第で差別化を図れる可能性もあるでしょう。
信頼できる不動産仲介会社を見つける
売れにくい4LDKマンションの売却活動は、不動産仲介会社と相談しながら二人三脚で進めることが大切です。
マンションがある地域に詳しく、積極的に販売してくれる不動産仲介会社を見つけることから始めましょう。
内覧対応に力を入れる
4LDKマンションをスムーズに売るには、内覧時の印象も重要です。
居住中の物件を売却する場合、家具や家電、日用品などが置いてある分、どうしても生活感が出てしまい、内覧時の印象を下げてしまう可能性があります。
不用品はあらかじめ処分しておく、すぐに使わないものはレンタル収納サービスを利用して一時的に部屋から出すなど、部屋を広く見せる工夫も必要になるでしょう。
あらかじめ掃除や片付けをするのはもちろん、築年数が古い4LDKマンションの場合は、水回りだけでもハウスクリーニングをしておくと、内覧時の印象アップにつながります。
4LDKマンションの売却は不動産コンシェルジュに相談しよう
4LDKマンションは、2LDK・3LDKマンションと比較すると需要が少なく、販売価格も高額になりやすいため、売れにくいと言われています。
4LDKマンションの売却活動をスムーズに進めるには、信頼できる不動産仲介会社を見つけることが大切です。
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