家を建てるとき、デザインや価格、断熱性能や設備の充実度など、検討すべき項目は多くあります。しかし日本で暮らす以上、検討を避けて通れないのが地震への備えです。
これから家を建てる方も、今の住まいに長く住み続けたいと考えている方も、耐震性は今後の暮らしを守る上で大切な要素となります。
この記事では住まいの耐震性について、基本からわかりやすく解説します。
建て替えやリフォームを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
| 本稿の概要 |
|---|
| ⏵耐震性は住まいの安全を守る土台。地震大国である日本では、安心して暮らし続けるための前提条件とも言える要素。 ⏵旧耐震と新耐震の違いを理解し、必要に応じてリフォームや建て替えで耐震性を高めることがポイント。 ⏵費用や補助金制度を踏まえ、自分に合った住宅会社を選ぶことが、安心できる住まいづくりにつながる。 |
そもそも耐震性とは?
耐震性とは、地震の際に建物や家が大きな損傷を起こしにくい性能のことを指します。
では、その性能をどのように示すのか。それが「耐震等級」と呼ばれる指標です。
耐震等級は1から3まであり、等級1は建築基準法で定められた最低限の基準を満たすレベルになります。等級2はその1.25倍、等級3は1.5倍の耐震性能を有するとされています。

現在では、注文住宅の多くが耐震等級2または3を標準としており、建売住宅も同じく、耐震等級を高める動きが広がっています。
さらに「耐震等級=家が壊れにくく家族を守れる」というだけでなく、資産価値にも良い影響を与える点も見逃せないポイントです。
新耐震と旧耐震の違いとは
住宅の耐震性を語るうえで欠かせないのが「新耐震」と「旧耐震」の違いです。
現在建てられている新築はすべて新耐震、1981年5月31日までに建築確認を受けた家は旧耐震の家になります。
では、旧耐震の家と新耐震の家は何が違うのでしょうか?
昔の家は主に震度5程度の地震に備えて設計されていました。それ以上の地震に関しては、想定されていなかったのです。
しかし1978年に発生した宮城県沖地震(M7.4)で、それまでの建築基準法で建てられた家では、人々の命を守ることができないことが、悲しくも発覚します。そこで、1981年6月に「もっときちんと人々の命を守れる家をつくるために、法改定をしよう」となり、建物の耐震性が見直されることになりました。

新耐震基準では震度6強から7程度の大地震でも倒壊しないことが求められています。
このように、耐震性能の向上は人々の経験・歴史が積み重なって実現しているものなのです。
住まいの耐震補強を検討するタイミング

耐震補強を検討する際、最も合理的なタイミングは「建て替え」を行うタイミングです。建て替えでは家の構造そのものを見直すことができるため、根本的な耐震性能の向上が可能になります。
一方、リフォーム時に耐震補強を行うことも選択肢の一つです。内装の改修や間取り変更を伴うリフォームの場合、構造躯体に手を入れる機会を活用できるため、効率よく補強工事を行えます。
ただし、リフォームで耐震補強だけを単独で実施する場合は、壁や基礎を大きく解体する必要があり、大がかりな工事になることも。そのため費用や生活への影響も踏まえて工事内容を検討することが大切です。
まずは耐震診断で住まいの状態を確認
耐震補強を検討する際は、まず現在の住まいの耐震性能を確認することが大切です。そのために行われるのが「耐震診断」です。
耐震診断では、建物の構造や図面、壁の配置や基礎の状態などを専門家が確認し、現在の建物が地震にどの程度耐えられるかを評価します。診断結果をもとに、補強の必要性や具体的な工事内容を検討できます。
耐震診断はどこに依頼すればよい?
耐震診断は、主に以下のような専門家や事業者に依頼できます。
- 建築士事務所
- 耐震診断を行うリフォーム会社
- 自治体が紹介している診断事業者
また、実績が豊富であることも、依頼先選びで見落とせないポイントです。
「自分で安心して依頼できるところを探すのは難しそう」と感じる場合は、東急株式会社の住まいと暮らしのコンシェルジュにご相談いただければ、耐震診断の対応が可能な会社をご紹介いたします。
耐震診断は耐震補強を行う上で、大切な土台となる工程です。失敗や後悔などがないよう、信頼性の高い業者をお探しの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
自治体の助成制度が利用できる場合も
多くの自治体では、旧耐震住宅を対象に耐震診断の費用を補助する制度を設けています。補助額や対象条件は地域によって異なりますが、自己負担を抑えて診断を受けられる場合もあるため、耐震診断を検討する際は、まずお住まいの自治体の制度を確認してみるとよいでしょう。
リフォーム・建て替えでできる耐震補強の内容
耐震補強というと大規模な工事をイメージする方も多いかもしれませんが、実際には小規模な工事から大きな施工まで、幅広いやり方があります。
ここでは、リフォームや建て替えでできる、代表的な耐震補強の内容を紹介します。
【リフォーム向け】家具の固定

耐震補強として取り組みやすいのが、家具の固定です。
大きな地震では、家具の転倒による被害が深刻になるケースがあります。
L字金具や突っ張り棒などで家具を固定することで、室内での事故リスクを大きく減らすことが可能です。
家具の固定は自分でもできる対策方法ですが、壁や天井に入っている下地の位置の把握や、下地に補強が必要な場合もあるため、より安心度の高い施工を求める場合は、プロに依頼したほうが良いでしょう。
【リフォーム向け】屋根の軽量化

古い建物は重い瓦屋根の場合も多く、建物への負荷も気になるポイントです。重心が高い位置にあると、建物は不安定になる性質があります。
屋根補修のタイミングでガルバリウム鋼板やスレート屋根、軽量瓦などに変更することで、建物の上部の重量を軽くすることができ、家の安定度が増します。
【リフォーム向け】基礎の簡単な補強

築年数の古い住宅では、基礎部分にひびが入っていることがあります。
見過ごしやすいポイントですが、小さなヒビが家の倒壊につながる可能性は、ゼロではありません。ひび割れや補修を行うことで、更に大きなヒビになることを防げたり、雨や水の侵入による影響拡大を防げるなど建物の強度がアップします。
【建て替え向け】構造躯体を強固に整える

建て替えでは、基礎・柱・梁といった構造体をすべて最新基準に合わせて一新できます。
構造体が強化されることで、そこに付随する壁や屋根の強度も増します。建物の土台・骨組み部分から補強ができるのは、建て替えならではのメリットです。
【建て替え向け】壁の補強

地震の揺れに対して建物を強くするためには、壁の補強が効果的です。
壁に筋交いを入れたり、構造用合板を張ったりして耐力壁を増やすことや金物で補強することで、建物全体の強度を高めることができます。
リフォームでも実現できる工事内容ですが、壁補強工事は単独で行うと費用も工数もかかるため、間取り変更を伴う大規模なリフォームを行う際に取り入れたほうが効率的です。
【建て替え向け】制震・免震の導入

建物の土台に制震装置や免震装置を設置して、揺れを吸収したり防いだりする方法もあります。
制震装置・免震装置は建物や土地の状態によってどちらが適しているかが異なるため、自分たちの家にとってベストな方法を、耐震診断を依頼した会社や専門家、またはハウスメーカーなどに相談してみましょう。
耐震性に関する費用の考え方

耐震補強を検討する際に気になるのが、費用ではないでしょうか。
リフォームで耐震補強を行う場合、築年数や耐震基準によって税制上の扱いが異なる点に注意が必要です。
旧耐震基準の住宅を購入したり大規模なリフォームをして住宅ローンを組む場合、そのままでは住宅ローン減税の対象外となるケースがあります。ただし、耐震適合証明書や既存住宅性能評価書を取得することで、減税要件を満たせる場合もあります。
これらは個人で完結できる書類ではないため、住宅会社や建築士に相談すると良いでしょう。
また、耐震補強工事でリフォームローンを利用する場合は、工事内容の見積書や建物の図面などの書類提出が求められます。金利は住宅ローンよりやや高めになる傾向があり、返済期間も比較的短い設定が一般的です。
金融機関によって条件が異なるため、複数を比較検討してみると良いでしょう。
耐震補強で活用できる制度
耐震補強に対して、多くの自治体が補助金制度を設けています。ただし、対象となる住宅の築年数や耐震診断の実施有無など、条件は自治体ごとに異なります。
制度を活用することで、自己負担を抑えながら安全性を高めることが可能になるため、耐震リフォーム・建て替えを検討している方は、お住まいの自治体の窓口、もしくは耐震補強の依頼先などに相談してみてください。
建て替えという選択肢

耐震補強を検討した結果、構造の老朽化が進んでいる場合や、間取りや設備も含めて大きく見直したい場合には、建て替えも選択肢として有効です。
建て替えであれば、現在の基準に沿った構造設計が可能となり、耐震性能を根本から高めることができます。
リフォームと比較して費用や期間はかかりますが、長期的な安心や住みやすさを重視する場合には、ぜひ検討したい方法です。
木造と鉄骨の耐震に関する考え方の違い

建て替えを検討する際には、住まいの構造の特徴も理解しておくことが大切です。
たとえば木造住宅は、軽量でしなやかな構造が特徴です。「建物そのものを硬く強くする」というよりも「揺れを受け流すように設計」されることが多く、適切な耐力壁の配置や接合部の補強によって高い耐震性能を確保できます。例えるなら「柔軟性が高く骨折をしにくい体」といった感じです。
一方、鉄骨住宅は強度の高い部材を用いることで、「建物そのものを硬く強くする」イメージのほうが近いと言えます。こちらも例えるなら「骨が太く頑丈で骨折をしにくい体」という印象です。
耐震性に限らず、木造には木造の、鉄骨には鉄骨の良さやデメリットなどもあるため、建て替えの際はこうした構造部分の特徴も踏まえた上で計画を立てることが大切です。
また、構造に関しては専門的な知識が必要となる部分も多いため、自分たちだけで判断せず、専門家に相談しながら検討を進めることをおすすめします。
東急株式会社「住まいと暮らしのコンシェルジュ」であれば自分たちの家の状態を踏まえた上で、耐震工事の内容の提案や依頼先選びなどを、中立的な立場で提示してもらえます。
建て替えの流れ
建て替えは、次のような流れで進むのが一般的です。
- 1.現状の建物調査や資金計画の整理
- 2.住宅会社への相談
- 3.プランの打ち合わせを重ねて設計内容を確定
- 4.既存建物の解体工事の実施
- 5.基礎工事から着工
- 6.完成・引き渡し
完成までは仮住まいの手配や各種手続きも必要になるため、全体のスケジュールを見通して計画的に進めましょう。
自分に合った会社の選び方
リフォームでも建て替えでも、仕上がりの満足度を大きく左右するのがリフォーム会社・住宅会社のスキルです。
そのため家づくりのパートナーとなる会社を選ぶ際は、失敗や後悔のないよう、ポイントを整理して選ぶことが大切です。
ただし住宅会社やリフォーム会社は数も多く、それぞれ得意分野や提案内容が異なるため、自分たちだけで比較・検討するのが難しいと感じることもあるかもしれません。
そうした場合は、東急株式会社「住まいと暮らしのコンシェルジュ」に相談してみるのがおすすめです。
コンシェルジュを活用することで、中立的な立場から希望条件を整理しご要望に合いそうな住宅会社やリフォーム会社を紹介してもらえます。
複数の会社の特徴を比較しながら検討できるため、自分にとってベストな依頼先を見つける近道となるはずです。
家づくりの依頼先選びに不安を感じている方は、ぜひ一度相談してみてください。

東急株式会社の「住まいと暮らしのコンシェルジュ」では、住まいに関する資格を持つコンシェルジュが、会社探しからサポートいたします。中立な立場でお客様のご要望に沿った会社をピックアップするため、会社探しの負担や不安を大きく軽減することが可能です。
また、相見積もりの依頼や家づくり・リフォームの資金計画のご相談も承っています。ぜひ、お気軽にご相談ください。
住まいに関する相談会も実施しているので、ぜひこちらもご活用ください。
まとめ
耐震性は、家づくりや住まいの見直しにおいて欠かせない要素です。デザインや設備と同じように、あるいはそれ以上に、安心して暮らし続けるための前提条件と言えます。
リフォームで予算を抑えて補強する方法もあれば、建て替えによって根本から見直す選択肢もあります。建物の現状や将来の暮らし方、予算とのバランスを踏まえて判断することが大切です。
耐震性について正しく理解し、制度や補助金も活用しながら、自分たちにとって最適な備えを選んでいきましょう。


