気になるエリア、どんな建物が建っていますか?
自宅の周りや住みたい街にはどんな建物が建っていますか?
「住宅街で店舗といえばコンビニくらい」「マンションの1階に飲食店が入っている」中には「コンビニも駅まで行かないとないし、住宅以外は見かけない」といったエリアもあるでしょう。
これらの違いは「用途地域」とそれに関する用途制限が影響しています。用途地域を知ることで、気になるエリアがどんな街を目指しているのかうかがい知ることができます。
まず、すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域を市街化地域と定めています。
その地域内は更に13種類の用途地域と呼ばれる用途制限に分類されます。その13種類がそれぞれ「店舗は床面積150㎡以下まで」「住宅は建てられない」などこと細かに決められているのです。
人気の第一種低層住居専用地域とは
新築物件のキャッチコピーで「人気の第一種低層住居専用地域内」といった表現を見たことはありませんか?閑静な住宅街というイメージを持たれる方も多いでしょう。
13種類の中で住居以外の用途を最も制限しているのがこのエリアです。店舗や事務所は原則建てることができません。自宅兼用であれば、制限付きで建築可能になるといった程度です。つまり、閑静な住宅街に魅力を感じたけれど、コンビニやスーパーが近くになくて不便!といったことも起こりうるのです。
また、「低層」という表現の通り2階建てや3階建てが高さの上限になることが多く、戸建て向きのエリアと言えます。
比較として、第一種(第二種)中高層住居専用地域をみてみましょう。
先ほどとは違い「中高層」という表現です。このエリアであれば5階建て程度のマンションが多いかもしれません。また、このエリアになると先ほどよりも住宅以外の用途の幅が広がります。大学や病院が建築可能になり、床面積の上限はありますが、店舗も喫茶店などは建築可能になります。
ここで注意したいのは店舗もひとくくりではなく喫茶店は○、飲食店は×、2階以下のパン屋なら○など細かく制限されているということです。
もし「自宅を改装してお店を開きたい!」といった構想があれば、あらかじめ希望する建物が建築可能か知っておく必要がありますね。
13種類の用途は他にも駅前など商業地に多い「近隣商業地域」や工場と住宅が混在する「準工業地域」などさまざまです。
また、この用途地域区分は大通り沿いでは近隣商業地域、1つ曲がった細い道沿いは第一種低層住居専用地域など、狭域で変わることも知っておくと便利です。
用途地域=どんな街を目指すのか?
用途地域を知ると、その街が目指す姿が浮かび上ってくると思います。
例えば、駅前にスーパーもなくて不便と思っていた街は、実は駅前が住居専用地域のエリアで商業施設が出展しようにも制限がかかり出店できないだけなのかもしれません。
その場合、近くにコンビニがない!といった不便さはあるかもしれませんが、駅近に閑静な住宅街が広がっている可能性は高いとも言えます。
これから先、用途地域の変更が行われない限りこの雰囲気は保たれるはずです。制限をかけることはマイナスに聞こえがちですが、さまざまな用途が混在してしまうことを防ぐ目的でこの用途地域は制定されています。
そうやって街を見てみると、今までと違う見え方になるかもしれません。
まずはご自宅やその周辺の用途地域を調べてみるのも楽しいものです。
今は行政のホームページで公開されていることがほとんどですので是非ご覧ください。
用途地域を知ることは、自分のスタイルに合った街を見つけることにきっと役立つことでしょう。