本稿の概要 |
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・世田谷区は治安や都心へのアクセスが良好で、子育て環境も整っていて住みやすい街 ・世田谷区はエリアごとに特色があり、暮らすなら自分に合う地域を選ぶことが重要 ・世田谷区で家探しをする際は、スムーズに進むように、予算や手順を知ることも大切 |
世田谷区への引っ越しを考えている皆さま、理想の住まい探しに悩んでいませんか?
世田谷区は人気のエリアですが、地域ごとに異なる特色を持っています。地域の雰囲気や子育て環境の充実度、区内や都心部へのアクセスなど、引っ越し前にしっかり確認しておきたいところです。
本稿では、世田谷区の住みやすさや治安、交通の利便性そして物件購入のコツまで幅広く解説します。本稿でしっかり情報を収集していただき、ぜひあなたのご不安を解消してください。
世田谷区の住みやすさは?治安や利便性は?
世田谷区は、東京23区内でもっとも人口が多い区です。多くの方が暮らしていることからも分かるとおり、世田谷区は23区の中でも比較的暮らしやすい街と言えます。
世田谷区は、閑静な住宅街から商業施設が立ち並ぶにぎやかなエリアまで、多様な地域が集まって形成されています。アクセスは良好で、都心および副都心に近く、交通の利便性が高い区です。
また、23区の中でも緑被率(緑地面積の占める割合)が高く、豊かな自然との調和も世田谷区の特徴のひとつです。区内には大きな公園が多くあり、子どもがのびのびと遊べる環境も整っています。
子育て関連施策や子育て関連施設も整っていますので、子育て世代のファミリーにも人気です。
世田谷区の代表的な駅周辺の特色
世田谷区には、多様なエリアが存在します。エリアごとに大きく特徴が異なるため、転入される場合は、自分のライフスタイルに合ったエリアを見つけることが重要です。
代表的な駅周辺の特徴をご紹介しましょう。
▼二子玉川
駅前地区に、「水と緑と光」の豊かな自然環境と調和する複合商業施設として2011年に開業した《二子玉川ライズ》などの商業施設が立ち並んでいます。
商業施設とともに自然環境も残されていて、比較的緑が多く、周辺には閑静な住宅街が広がっています。週末には多くの家族連れでにぎわうファミリー層に人気な街です。
駅の南方には多摩川河川敷が広がっていて、水に親しめる公園があります。河川敷で毎年開催される《世田谷区たまがわ花火大会》は、この地域の夏の風物詩となっています。
▼三軒茶屋
飲食やショッピングに便利な施設が集まっていて、若者や外国人に人気の街です。
また、都心で希少な路面電車である「世田谷線」の始発駅でもあるなど、下町の雰囲気が残る三軒茶屋では老舗店と新しいトレンドのお店が混在して立ち並んでいます。
駅周辺はにぎやかな商業地ですが、一歩奥に入ると閑静な住宅地が広がっています。住居系地域の公示地価の中では、世田谷区の中で「三軒茶屋2丁目」の住宅地がもっとも高くなっています。
将来的には、渋谷や二子玉川との近接性を活かした、「働く場・観光・学ぶ場」としての役割も見込まれ、今後のポテンシャルが高い街とも言えそうです。
▼桜新町
閑静な住宅街が広がるエリアで、渋谷へのアクセスが良好(4駅、9分)です。長谷川町子さんが暮らしていた街として有名で、マンガのモチーフにもなっています。
駅前には商店を始め、ファストフード店やスーパーが軒を連ねています。桜並木もあり、春には美しい風景が広がります。
▼等々力
世田谷区南部にある等々力は、都内有数の高級住宅街です。閑静な住宅街が広がり、緑が多く、落ち着いた雰囲気が漂っています。治安のよさから、人気のエリアです。
等々力は、比較的自然が多く残っているエリアです。都内唯一の渓谷である《等々力渓谷》があり、景勝地としても人気です。
▼成城
成城は高級住宅街として有名で、洗練された雰囲気の街です。連綿と続く歴史の中で街路樹や邸宅の庭木が整備され、美しく良好な町並みに整えられています。
学園都市としての側面や、文化人に好まれるアカデミックな街としての側面も持っています。とりわけ、映画界や芸能界では成城に住むことがステータスになっているようです。
▼経堂
経堂は、私鉄の急行が停車しますので、都心部へのアクセスが良好です。駅周辺には大型スーパーや商店街があり、買い物にも便利です。
教育施設が多いこともあり、どちらかと言えば落ち着いた町並みです。自然との共生をテーマに、緑と周辺環境が調和する町並みづくりを図っています。
▼下北沢
下北沢は、若者文化の中心地として知られている繁華街です。独特のカルチャーが根付いていて、個性的なショップが多く立ち並んでいます。
古着屋や小劇場、ライブハウスなどが数多く点在しているのも、下北沢の特色のひとつです。新しい店舗と古い店舗が混在していて、独特の雰囲気があります。
ここでご紹介した街以外にも、世田谷区には個性的なエリアが点在しています。雑誌やメディアなどで紹介される「住みたい街」も数多くあります。
ぜひ、あなた好みの街を見つけてください。
交通・アクセスのよさ
世田谷区は交通網が整備されていて、区内の移動だけでなく、都心部へのアクセスも良好です。渋谷や新宿などへ、30分以内でアクセスできます。
東京23区で唯一JRと地下鉄の両方が通っていないものの、私鉄により8つの路線(京王線、井の頭線、世田谷線、田園都市線、大井町線、目黒線、東横線、小田原線)が乗り入れています。
ただし、鉄道のほとんどは東西方向に走る路線です。南北方向は東急線の世田谷線のみで、貴重な路線となっています。
鉄道網を補完するために、世田谷区内には複数の路線バスやコミュニティバスが走っています。
治安状況
治安のよさも、世田谷区の魅力のひとつです。23区の中でも、文京区・杉並区・練馬区などと並んで、比較的犯罪発生率が低い区です。
とりわけ高級住宅街が広がるエリアは、治安がよい傾向にあります。世田谷区の防犯ガイドブックによると、以下のエリアはとくに犯罪の発生数が少ないようです。
- 世田谷・上町エリア
- 池尻大橋エリア
- 上野毛・等々力・尾山台エリア
じつは、2000年ごろの世田谷区は犯罪の被害件数が多かったようです。そこから今日に至るまで、防犯対策やガイドブックの作成を通して、被害件数を大きく減らしました。
現在、青色回転灯を装備した自動車で、区内全域を網羅する《24時間安全安心パトロール》が実施されています。防犯カメラ設置の設備支援や、防犯パトロール団体への支援もおこなわれています。
とは言え、一部の駅周辺、とりわけ繁華街に近く若者が多く集まるエリアはトラブルが増える傾向にあるようです。夜間は治安が悪化する可能性もありますので、防犯意識は常に持ちましょう。
なお、区内で発生した刑法犯の約4割は《自転車盗難》です。自転車の盗難対策は、念入りにおこないたいところです。
子育て関連施設・子育て関連支援の充実度
世田谷区の子育て環境は、どうでしょうか?
世田谷区は、子育て世帯にとっても魅力的なエリアです。安心して子育てできる環境が整っていて、子育て世帯の経済的・精神的負担を軽減してくれます。
▼世田谷区の子育て関連施設
小中学校の数は、申し分ありません。区内のどこに住まわれても、そう遠くない場所に学校があるでしょう。
令和6年度の待機児童数は、1歳児が39人、2歳児が19人となっています (令和6年5月28日更新)。
世田谷区には区立図書館が24館あり、展示やおはなし会、数々の子ども向けイベントを開催しています。子どもの成長と学びを多角的に支援する、子育て世帯に有益な公共施設となっています。
子どもの急病の際も安心です。医療機関案内や救急診療所など、子どもの病気や怪我に対応できる医療機関が整備されています。
▼公園・運動場
世田谷区は大きな公園や運動場が多く、子どもたちがのびのび遊べる環境が整っています。おもなところをご紹介しましょう。
等々力渓谷公園 | 武蔵野台地の南端を、川が浸食してできた渓谷。長さ約1kmの遊歩道があり、地元の人だけでなく観光客にも人気。現在、倒木による立ち入り禁止区域あり。令和7年中に解除見込。 |
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駒沢オリンピック公園 | 緑と体育施設が調和した運動公園。1964年の東京オリンピックの第2会場で、レスリングやバレーボールなどの競技がおこわれた跡地。ジャブジャブ池やサイクリングセンターがあり、子連れに人気。 |
世田谷公園 | 世田谷地域で一番広い公園。噴水広場やスポーツ施設などがある。環境フェスタなどいろいろな行事がおこなわれ、にぎわいのある公園。休日等には、ミニSLが走ることもある。 |
砧(きぬた)公園 | 紀元2600年記念行事として都市計画決定された緑地が前身。自然の地形を活かし、芝生の広場と樹林で構成されるファミリーパーク区域と、運動施設区域とが整備されている。 |
二子玉川公園 | 平成25年4月にオープンした、比較的新しい公園。二子玉川駅より徒歩9分。国分寺崖線の緑と多摩川の水辺に囲まれた場所に位置していて、自然が豊か。幼児から大人まで楽しめる。 |
世田谷区内の公園については、以下のWebサイトで詳しい情報をご覧いただけます。
▼子育て支援
世田谷区は子育て支援にも積極的で、たとえば《世田谷版ネウボラ》などの支援策を実施しています。
ネウボラはフィンランド語で「相談・アドバイスの場所」を意味します。フィンランドではこのネウボラによって、妊娠期から就学前までの母子とその家族への継続的な相談・支援が実施されています。
このネウボラを参考に世田谷区が実施しているのが、世田谷版ネウボラです。おもなサービスをご紹介しましょう。
ネウボラ面接 | 妊娠中や出産後の相談に対し、総合支所に配置する専門スタッフが面接をおこなう。 |
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せたがや子育て利用券 | 妊娠期面接を受けた方に支給(1万円分)され、地域の産前・産後サービスを利用できる。 |
ほかにも、産後ケア事業や子どもの一時預かりサービス、子ども等医療費助成制度も実施しています。詳しくは以下をご覧ください。
また、世田谷区は《区公式LINE》を使って、子育て応援・支援情報のほか、お子さまの健診・予防接種などの案内を発信しています。
保育施設の空き情報や授乳スペースなどの施設マップ、子育てに役立つリンクも案内されていますので、子育て中の方は登録されるとよいでしょう。
世田谷区でおすすめの物件購入方法を4ステップで解説
つづいて、世田谷区に転入されるご予定の方のために、おすすめの物件購入方法を4ステップでご紹介します。
世田谷区は人口が多く人の流動性も高いため、たくさんの住まいが供給されています。一方、住宅価格の高騰もあり、お手頃で人気エリアにある物件はすぐに買い手が付いてしまう状況です。
ですから世田谷区の住宅購入では、スムーズに手続きを進めることが、気に入った物件を買えるかどうかのカギになります。
1. 月々の住居費はいくら?まず、予算を決めよう
住宅を購入するときは、まずご予算を決める必要があります。たとえば、あなたは毎月いくらくらいまでなら、住居費に使えそうでしょうか?
ちなみに、住居費に含まれるのは《住宅ローンの返済》だけではありません。持ち家には、ほかにもさまざまな住居費がかかります。例をあげてみましょう。
- 住宅ローン返済
- 火災保険・地震保険
- 固定資産税・都市計画税
- 修繕積立金
- 駐車場(マンションの場合)
- 管理組合費(マンションの場合)
1か月当たり、いくらの住居費までなら許容できるのか、一度検討してみてください。自分で考えるのがご不安な方は、ファイナンシャルプランナーに手伝ってもらうとよいでしょう。
東急株式会社「住まいと暮らしのコンシェルジュ」では、提携するファイナンシャルプランナーと一緒にお客さまの悩みや疑問にお応えしております。ご興味がある方は、お気軽にご相談ください。
なお、住宅の購入をスムーズに進めるために、早めに住宅ローンの事前審査を済ませておくとよいでしょう。ご予算が明確になり、選ぶべき物件も具体的になります。
2. 一戸建て?マンション?新築?中古?住まいの種類を決めよう
現在、新築住宅の高騰が著しく、中古住宅や賃貸住宅もあわせて、柔軟に検討される方が増えています。あなたも、家探しの初期は選択肢を複数持っておかれるとよいでしょう。
住宅には、たとえばこんな選択肢があります。
- 賃貸?持ち家?
- 一戸建て?マンション?
- 新築?中古?
- 建売住宅?注文住宅?
自分にとって適切な選択肢は、すぐには見つからないかもしれません。焦らず、ご予算や実際に内見した印象をふまえて、徐々に絞り込んでいくとよいでしょう。
最後には、きっとあなたにピッタリのお住まいにたどり着きますよ。
3. お好みのエリアは?候補の物件を探し、内見しよう
世田谷区は、エリアごとに異なる特色を持っています。ですから、自分のライフスタイルに合ったエリアを見つけることが重要です。長く暮らすことになるのですから、じっくり調べましょう。
住んでみたいエリアは、ありますか?ある程度の目星を付けておくと、家探しがスムーズに進みます。とは言え、エリアも柔軟に考えていただくほうがよいでしょう。
お目当てのエリアにこだわらず、いろいろな地域の物件を内見してみてください。さまざまな物件を内見すると、思わぬ発見があり、意外にも自分に向いていることに気づくケースもあります。
4. 早い者勝ち!?スムーズに契約を進めよう
不動産は、ひとつとして同じものがありません。基本的に、購入は早い者勝ちです。ですから、人気の物件は取り合いになるほどです。
住宅購入の基本的な流れを頭に入れておき、思わぬところでつまずかないようにしましょう。モタモタしていてライバルに買い負けてしまうと、後悔することになりかねません。
「住宅購入の基本的な流れ」は、以下のとおりです。
- 物件を内見
- 購入申し込み
- 住宅ローンの事前審査
- 不動産売買契約
- 住宅ローンの本審査
- 物件代金を清算して引き渡しを受ける
- お引っ越し
一般的な住宅購入では、住みたい物件が見つかったら売主に「不動産購入申込書 (買付申込書)」を出します。そのあと、住宅ローンの事前審査で承認を得ます。
事前審査に通過したら不動産売買契約に進み、契約後に住宅ローンの本審査を受けます。本審査で承認されたら、あとは物件代金の清算とお引っ越しを待つだけです。
一方、住みたい物件を見つける前に、住宅ローンの事前審査に申し込む方法もあります。この方法には、以下のメリットがあります。
- あらかじめ予算が明確になった状態で家探しができる
- 住みたい物件を見つけたら、すぐに購入申込書を出せる
従来の手順で進めると、万が一、事前審査が否決されると家探しからやり直しになります。審査中に、ライバルに先を越される可能性もあります。
よりスムーズに進めたい方は、住みたい物件を見つける前に事前審査を受けておくこともご検討ください。
まとめ:ワンストップで家探し!住まいと暮らしのコンシェルジュへ
世田谷区の特徴をご紹介しました。世田谷区は治安や交通の便がよく、子育て支援策や子育て関連施設も整備されていて住みやすい区です。
ただし、地域ごとに特色が異なりますので、自分に合う地域を見つけることが重要です。家族構成やライフプラン、職場や趣味なども考慮に入れながら、じっくりと検討してください。
住宅を購入される際は、しっかりと予算を決めて、手順を把握して進めることが大切です。住宅探しでご不安がある方は、東急株式会社「住まいと暮らしのコンシェルジュ」にご相談ください。
「住まいと暮らしのコンシェルジュ」は世田谷区二子玉川駅前にも店舗を構えております。まずは、気になるエリアの相場を知りたい、という方もコンシェルジュまでお気軽にご相談ください。
コンシェルジュが、提携するファイナンシャルプランナーや不動産仲介会社と一緒に、豊富な知識・経験をもとにお客さまのお悩みや疑問にお応えします。