家相の由来から住まいを考えてみませんか

家相の由来から住まいを考えてみませんか

家相の由来

家相とは、家の配置、方角、間取りなどからその吉凶を判断する風習で、約5000年前の古代中国で発祥し、その後、中国の家相をベースに日本の風土や風習に合わせて発展してきました。
家相は全くの迷信ばかりではなく、今日にも十分通じる生活環境科学的な考え方で成り立っている部分もあります。時折「家相って気にしたほうがいいのですか」とお客様からご質問をいただくこともあるのですが、気になる方は、生活を快適にするためのヒントの一つとして考えてみると良いのかもしれません。

家相のポイント

■吉凶は、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)と言われる思想に基づき割りふられた方角と、そこに置かれる部屋や設備との相性によって判断します。
また万人に共通するとされる「八方位」の考え方や、住む人の個人に適した住居や間取りを導く「本命卦」による考え方もあります。また流派により見解が異なり、その判断は多種多様です。

■家相の重要なポイントは「三所」と「三備」にあります。三所とは、東北方位(鬼門)と中央・西南方位(裏鬼門)のことで、三備とは玄関、台所、トイレ、の三つを言います。
住まいのプランニングの際には、この三つの方位と三備の配置を重点に考え、計画をとると良いとされています。

家相の概要

先述のように、流派により家相の見解や捉え方は様々ですが、ごく代表的な吉凶の見方の例をあげてみます。

■台所が裏鬼門(南西)は凶?
科学的にみると、昔の家は、夏には西日が差し込んで暑くなるため、この方位に台所があると食べ物が腐りやすくなり、それが裏鬼門と言われる理由とされています。
なので、日差しを遮り冷蔵庫を活用すれば、問題ないともいえます。
また、もう一つの理由は、夏になると南からの風が多くなり、台所の臭気が家中に回ること、さらに南風にあおられると大火になりやすいという事から、防火上危険であるとされていました。
こちらも、換気計画や開口設置計画、周囲の環境、現在の防火性能などを踏まえつつ、うまく活用し計画に取り入れることにより、生活を快適にする方向で検討する事も出来そうですね。

■北東(鬼門)のトイレは特に凶?
北東のトイレは特にいけないとされています。これは、北東のトイレは特に日当たりが悪く、また寒いので、衛生面や、ヒートショックなどを考えた場合には健康面からも問題とされた事が原因と考えられます。
こちらについても、現在の給排水や換気配管計画、設備機器の進化、そして建物自体の断熱性能の向上等を考えると、対処できる可能性もありそうですね。

■玄関は東南の門が吉相?
玄関も、鬼門及び裏鬼門にあるのは凶とされています、東から南にかけての方位にあって、東から南に向いた玄関が一般的に良いとされています。昔の家の作りや設備から考えて、陽気のいい季節にちょうど風が入ってくる向きに、玄関を設けようとしたのかもしれません。

現在の住宅事情を考えると、場合により上記の方位に玄関を設置するのは難しいケースもあるでしょう。どうしても気になる方は、凶を防ぐ対策を、何か出来る範囲で検討されることもあるようです。(道路から玄関へのアプローチ動線で向きを工夫、あるいは植栽を植えて解消するなど)

ちなみに、この三備の一つの「玄関」は、もともと「玄妙なる道に入る関門」の意味があり、外界と内界の接点を表していて、対外・社会関係、活力などに関与しているとも言われています。
家相において、玄関は人の体に例えると口にあたり、良い食べ物を食べると栄養になるのと同じ考えで、良い玄関はより良い対外活動につながるとされていました。

また、鬼門というと絶対的に凶方とイメージされやすいのですが、
もともと鬼門とは北東=丑寅の方角であることに起因していて、牛(丑)の頭の角と、寅(虎)の縞模様の毛皮を組み合わせると鬼の恰好になってしまうことから、鬼の字をあてることになってしまった…ともいわれており、日本においては悪いイメージとなったのもわかりますね。
さらに、江戸時代に唐の様々な学問を学んだ天海大僧正が、徳川家康に「変化、停止、相続」をあらわす方位である北東を大切に扱う様にアドバイスしたとの話もあります。これに従い、江戸城の北東の鬼門、南西の裏鬼門にお寺を設置し、大切な方角を護ったともいわれています。しかしこれが「家康が鬼門を大切にした」が、「鬼門は恐ろしい」「鬼門はとにかく悪い」というふうに、世間の間で少しずつ変化しながら庶民に伝わっていったともされています。

このように、家相は5,000年に及ぶ折々の変遷の中で、今日も語られ続けています。長い歴史の中で培われてきた、人と自然が調和しながら快適に暮らしていくための環境学ともいえますし、他方では、その先人達の知恵や教えが、現在の住宅事情や環境、住まいの高気密・高断熱、冷暖房他設備の進化によって、現在の家に当てはめるとすべてが正しいとは言えない状況とも言えますね。

ですので、今後、住まいのご検討をされる際は、生活を快適にする為という方向で、住まわれる方のお気持ちに合わせて、ご自宅での暮らしや検討計画に家相をうまく取り扱いいただく位のお心積りで、家相に向き合っていただくとよいのではないかと思っております。

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