クロスの色選びと色彩心理学
クロスはとても種類が多く、その選定に迷われる方も多くいらっしゃいますが、あれこれどれにしようか？と選ぶ楽しみもありますよね。
クロス選びの一つの方法として、色彩による心理効果の側面から、ご検討いただく事もできるかと思います。
人がそれぞれの色を目で認識する時、視神経を介して脳に刺激が与えられます。色によっては冷たく感じたり、温かく感じたり、また、気持ちを高揚させたり、鎮静させたりと、見る人に心理的・生理的な影響を与えると言われています。
壁・天井といったインテリアの色彩は、面積も大きく、その中で長時間過ごす事になりますので、私たちも知らず知らずのうちに影響を受ける事になりそうですね。
色の特性について
様々なクロスの色について、その代表的な特性をご紹介致します。一般的に多く用いられるベージュやホワイトではなく、色味を入れた場合についてのご紹介です。
■赤系統が主な配色の場合
お部屋に与えるイメージ：暖かい、暑い、狭い
心理的な作用：情熱・活気・前向き・刺激・興奮・危険
にぎやかな、活動的な感じをもたらす色ですので、例えば少し暗く寒々しくなりがちな北面の部屋などに利用してみるのもよいでしょう。赤系統の暗い色をうまく使って、高級感を醸し出すことも可能です
狭い部屋には不向きな色系統です。興奮作用もありますので、くつろぎたい寝室や、勉強部屋等の集中力を必要とするお部屋には不向きです。
■オレンジ系統が主な配色
お部屋に与えるイメージ：暖かい、明るい、狭い
心理的な作用：楽しい・陽気・活発・エネルギッシュ・幸せ
明るく活発な感じで暖かく落ち着いた雰囲気になるので、年配の方のお部屋にも向いています。
ただし、夏場などは「暑い」と感じてしまうこともあるので、クロス以外のインテリアアイテムを寒色系の色でコーディネートするなど、寒暖のイメージをうまくコントロールすると良いようです。
■黄色系統が主な配色
お部屋に与えるイメージ：暖かい、明るい、開放的
心理的な作用：楽しい・快活・陽気・華やか・知的・個性・注意
中性的で明るく、楽しく、爽やかな感じにもなりますので、居間、主寝室に。また、発想力を高める効果もあり、子供部屋や書斎などにも向いています。
■緑系統が主な配色
お部屋に与えるイメージ：穏やか・くつろぎ・安らぎ
心理的な作用：安定・バランス・リラックス
季節によらず、インテリアとして通年利用しやすい色系統で、安らぎ感をもたらします。居間、アトリエ、リビングルームに向いています。心を安定させ平静に保てる色で、集中力を持続しやすく、勉強部屋や仕事部屋、子供部屋にもおすすめです。
■青系統が主な配色
お部屋に与えるイメージ：涼しい、寒い、広い
心理的な作用：冷静・リラックス・集中力・平穏・平和・安心
冷たく涼しい雰囲気になりますので、南面の居間、書斎などに向いていますし、精神を落ち着かせる効果があるので、寝室や勉強部屋にも使われます。
ただ、食欲を抑える色ですから、食事を楽しむダイニングには不向きといえます。
■無彩色（黒・グレー）の主な配色
お部屋に与えるイメージ：重厚感、高級感、上質感
心理的な作用：力強い・格好良い・暗い・重い・不安
力強い、どっしりとした感じがあり、男性的な表現ともなります。また、引き締まった
雰囲気も出ますが、閉鎖的な印象を持たせることもあります。部屋全体としてではなく、グレー系のアクセントクロス等、一面だけに使用することが多いようです。
以上、クロスの色がもたらす心理的な効果や特性についてご紹介いたしました。
クロス選びについては、素材、色, 柄、機能など様々なものがあり、多種からお選びいただくので大変な側面もありますが、迷われた時には、こうした色の心理的特性を考えながらすすめてみてはいかがでしょうか。
また、今回はクロスの色に焦点を当て、ご案内いたしましたが、クロス以外で季節ごとに変えられるインテリアアイテムも活用し、視覚効果と組み合わせてうまくコーディネートすることも住まいの愉しみの一つです。家具、カーテンや小物を使って、季節感やオリジナリティを自在に演出するのもよいでしょう。時には個性的なものを取り入れたり、逆に全体に統一感のあるアイテムで揃えた空間にするなどです。ハウスメーカーやリフォーム会社の担当者にも、ご自身が求める雰囲気やご意向を伝えながら、楽しんでお打合せを進めていただければと思います。
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