「マイホームを持ちたい」と考えたとき、選択肢に中古住宅が挙がる方も多くいます。
中古住宅は新築よりも価格を抑えやすく、立地の選択肢も広い点などが魅力です。一方で、すでに家主がいる家をどう購入すれば良いのか、どれくらいの費用が必要なのかなど、わからないことも多いですよね。
中古物件を購入する際は、全体の流れや費用感などを事前に把握しておくことで、引き渡しまでの期間や必要なリフォームなども把握しやすくなります。
この記事では、中古住宅購入の基本的な流れから、必要な費用と支払いタイミング、注意点までをわかりやすく解説します。
これから中古住宅の購入を検討する方は、ぜひ参考にしてください。
| 本稿の概要 |
|---|
| ⏵中古住宅の購入は「検討・準備」から「入居」まで8つのステップで進むのが一般的。 ⏵スムーズに進めば入居までは1か月〜半年程度が目安。 ⏵物件価格のほかにも、手付金・仲介手数料・登記費用・住宅ローン関連費用など、さまざまな諸費用が発生する。住宅ローンに組み込めるものと、現金で用意が必要なものの区別を押さえておくことが大切。 |
中古住宅を購入する際の流れ・必要な手続き

中古住宅を購入するとき「すでに完成している家だし、購入までのスピードは早いと聞いた」「新築よりもやることは少ないでしょ?」と考える方は多くいます。
しかし中古住宅であっても、新築戸建てを購入するのと似た段階を経る必要があります。
ここでは中古住宅購入の一般的な流れを見ていきましょう。
1.検討・準備を始める
「家がほしいな」「選択肢としては中古住宅がベスト」ーー購入する家の方向性が決まったら、最初に行うのは大まかな検討や準備です。
「どれくらいの費用を住宅購入にあてられるのか」「無理なく返済できる金額はどのくらいか」といった資金面と、「エリア」「広さ」「築年数」「間取り」など物件に求める条件を、家族で話し合っておきましょう。
資金計画を家族だけで決めることへの不安を抱えている場合や、求める条件の整理が難しいと感じる場合は、東急株式会社の「住まいと暮らしのコンシェルジュ」にご相談ください。
条件の整理から資金計画まで、住まいの専門家がサポートします。
2.物件探しと内見
希望条件をもとに、不動産ポータルサイトや不動産会社を通じて物件を探してみましょう。気になる物件が見つかったら、実際に内見へ。
室内の雰囲気や採光、周辺環境や建物の状態などを、自分の目で確かめてみてください。
3.購入申し込み
購入したい物件が決まったら、「購入申込書(買付証明書)」を売主に提出します。このタイミングで、価格の交渉や引き渡し時期の確認も行います。
4.住宅ローンの事前審査申し込み
住宅ローンの事前審査とは、年収や借入状況などをもとに、希望する金額を借りられるか金融機関が事前に確認する審査です。
購入できる物件の予算を具体的に把握するために、物件探しと並行して進めるケースもあります。
また、購入申し込みと前後することもあります。
5.売買契約
事前審査が通ったら、売買契約に進みます。
売買契約時には宅地建物取引士から、物件の権利関係や契約条件などの「重要事項説明」を受けます。その後、契約を締結する流れです。
不明な点があれば、契約を結ぶ前に確認しておきましょう。
なお、契約前後のタイミングでホームインスペクション(建物状況調査)を受けておくと、必要なリフォーム内容も把握しやすくなります。
6.住宅ローンの本審査の申し込み
売買契約後、住宅ローンの本審査に進みます。
審査が承認されたら、金融機関と正式な借入契約(ローン契約)を結びます。
7.決済・引き渡し
物件の状態の最終チェックを無事終えたら、住宅ローンの融資がスタート。売主へ残代金が支払われます。
その後、登記手続きと鍵の引き渡しが行われます。必要に応じて、引き渡し後にリフォーム工事を実施するケースもあります。
8.入居
引き渡しと必要なリフォームが終わったら、いよいよ入居です。新生活の始まりとなります。
中古住宅を契約してから引き渡しまでの期間はどのくらい?

中古住宅を契約してから引き渡しまでの期間は、スムーズに進めば1か月〜半年程度が目安です。
ただし、これはあくまで一般的なケースであり、たとえば売主がまだ居住中の場合は、退去のタイミングを待つ必要があるため、それ以上かかることもあります。また、住宅ローンの審査状況やリフォームの有無などによっても、引き渡しまでの期間は変わります。
購入者の仕事の状況や家族の都合などによっても、引き渡しまでの期間が短くなったり長くなったりすることもあるため、余裕を持って計画を立てておくとよいでしょう。
中古住宅購入に必要な費用と支払いタイミング

中古住宅の購入では、家そのものにあてる費用のほかにも、さまざまな出費が発生します。
ここでは、中古住宅購入で発生する主な費用を、タイミング別に整理して紹介するので、「どのタイミングでいくらの費用を用意しておくべきなのか」を判断するのに役立ててください。
物件購入・契約に関わる費用
▼手付金(売買契約時)
手付金は、売買契約を結ぶ際に売主に支払うお金です。売買価格の5%〜10%程度が目安となり、基本的には現金支払いです。
手付金は、頭金と同じく最終的には購入代金の一部に充てられます。
▼頭金(決済・引き渡し時)
頭金は、住宅ローンの借入額を抑えるために、自己資金から物件価格の一部を支払うお金です。
手付金同様、物件価格の1〜2割程度が目安となりますが、資金に余裕がない場合はそれ以下の金額でも問題ありません。
なお、フルローンを組む場合は頭金は不要となります。
手付金も頭金も、現金での支払いが必要です。ただし、人によっては住宅価格の5%ほども貯金がない...というケースもあります。
その場合、手付金は交渉できる可能性もあります(売主が早く家を手放したい場合・住宅ローンの事前審査を通過している場合など)。頭金も必ずしも必要とは限らないため、手元にお金がない場合はフルローンも検討してみましょう。
ただし、フルローンにはデメリットもあるため、早めに専門家やファイナンシャルプランナーに資金計画について相談しておくことをおすすめします。
▼仲介手数料(売買契約&決済・引き渡し時)
仲介手数料は、不動産会社を介して物件を購入する場合に支払う費用です。仲介手数料の金額は、基本的には以下の通りとなります。
たとえば3,000万円の物件であれば、およそ105万円前後が目安です。これを、契約時と引き渡し時に半分ずつ支払います。
▼印紙税(売買契約時・住宅ローン契約時)
印紙税とは、売買契約書やローン契約書に貼る収入印紙の費用です。契約金額によって金額が変わり、数千円〜数万円程度が目安となります。
一般的な中古住宅購入では、1万円〜2万円前後見ておくとよいでしょう。
▼登記費用(決済・引き渡し時)
物件の決済・引き渡しのタイミングで、土地・建物の所有権移転登記や、住宅ローンを利用する場合の抵当権設定登記などの手続きを行います。
登録免許税や手続きを依頼する司法書士への報酬も含めて、10万〜30万円前後が目安となります。
▼固定資産税(決済・引き渡し時)
固定資産税は、簡単に言えば「家を持っているだけで発生する税金」のこと。基本的には1月1日時点での所有者に1年分が課税されます(エリアによっては4月1日起算のところもあります)。
年の途中で引き渡しを受ける場合は、引き渡し日以降の分を売主に日割りで精算するのが一般的です。
固定資産税の金額は物件によって大きく異なりますが、年間10万〜20万円前後が目安となります。
住宅ローンに関わる費用

▼事務手数料・保証料(住宅ローン契約〜決済・引き渡し時)
住宅ローンを組む際は、金融機関へ事務手数料や保証料などの支払いが必要です。
事務手数料は、定額型と定率型の2種類があります。
- 定額型:3万〜5万円程度
- 定率型:借入額の2.2%前後
保証料は0円の商品もありますが、必要な場合は数十万円〜100万円程度になることもあります。借入額や金融機関、商品によって幅があるため、ローン選びの段階で確認しておくと安心です。
▼各種保険料(住宅ローン契約〜決済・引き渡し時)
多くの金融機関が、住宅ローンを組む際は火災保険の加入を義務づけています。地震保険は任意ですが、日本の地震の多さを踏まえると、加入しておいたほうが安心です。
それぞれを合わせた費用は、10万〜40万円程度が一つの目安となります。1年契約か5年契約か、それ以上の長期契約かによって、トータルの支払額は大きく変わるため、ライフプランに合わせて検討しましょう。
物件の状態確認にかかる費用(物件探しと内見〜売買契約前後)

中古住宅では、物件の状態を確認するためにホームインスペクション(建物状況調査)を依頼することがあります。
ホームインスペクションの費用目安は5〜10万円程度。義務づけられているものではありませんが、築年数が経過した物件の購入やリフォームを検討している場合は、ぜひ活用したい仕組みです。
ただし、人気の物件では調査結果を待つ間に他の買い手が決まってしまうケースもあります。物件の競合状況も踏まえながら、依頼するタイミングを不動産会社と相談するとよいでしょう。
入居後・将来的にかかる費用
▼リフォーム費用(売買契約前後〜引き渡し後・入居前後)
中古住宅は、入居前後にリフォームを行うケースも多くあります。リフォームの規模や内容によって費用は大きく変わります。
| リフォーム内容 | マンション | 戸建て |
|---|---|---|
| 部分リフォーム | 10万〜300万円程度 | 10万〜300万円程度 |
| フルリフォーム | 800万〜2,500万円程度 | 1,000万〜3,000万円程度 |
| 建て替え | ※区分所有のため個人での建て替え不可 | 3,000万円程度〜 |
なお部分リフォームを検討する場合は、以下のチェックポイントを参考に、必要な箇所を見極めましょう。
| リフォーム箇所 | 確認したいポイント |
|---|---|
| 屋根・外壁 | 屋根材の割れ、外壁のひび、塗装やシーリングの劣化、雨漏りの有無 |
| 水回り | キッチン、浴室、トイレ、洗面台の劣化や使いやすさ |
| 給排水管・配管 | 水漏れ、詰まり、配管の老朽化 |
| 床・壁・天井などの内装 | クロスの汚れ、床の傷み、カビ、雨漏り跡、生活のニオイ |
| 断熱 | 窓、床、壁、天井の断熱性能 |
| 耐震 | 建築時期、耐震基準、基礎や壁の状態 |
| シロアリ・床下 | 床下の湿気、木部の腐食、シロアリ被害の有無 |
| 間取り変更 | 壁や柱を動かせるか、暮らし方に合う間取りか |
| 玄関・窓・建具 | ドアや窓の開閉、鍵、防犯性、断熱性 |
| 電気設備 | コンセント数、分電盤、照明、配線の古さ |
すべての箇所をリフォームする必要はないかもしれませんが、気になる部分は引き渡し直後・入居前で修繕しておくと、入居後の暮らしやすさが大きく変わります。
リフォームについては、こちらの記事で詳しく解説しているので、是非参考にしてください。
中古住宅の購入とあわせてリフォームや建て替えを検討している場合は、東急株式会社の「住まいと暮らしのコンシェルジュ」にご相談ください。物件探しからリフォーム・建て替えまで、トータルでサポートをいたします。
▼不動産取得税(入居後)
不動産取得税は、不動産を取得した際に1度だけ課される税金で、固定資産税評価額をもとに金額の計算がされます。
一般的な住宅であれば、「軽減措置」が適用されます。適用された場合の取得税は10〜30万円前後が目安金額ですが、中古住宅の場合は軽減措置の適用条件が厳しく、当てはまらないケースも少なくありません。
▼引っ越し・新しい家具の費用(引き渡し後)
引っ越し費用や新しい家具・家電の購入費といった中古住宅の引き渡し後に必要な費用も、手元に残しておきましょう。
引っ越し費用は荷物の量や移動距離によって変わります。同じ都道府県内であれば5万〜30万円前後が目安ですが、繁忙期はこの金額にはあてはまらない可能性が高いため注意が必要です。家具・家電の買い替えや買い足しは、内容によっては数十万円〜100万円を超える出費となるケースもあります。
住宅ローンに組み込める(すぐに現金の用意が不要な)範囲は?
中古住宅購入時には、物件価格に加えてさまざまな諸費用が発生しますが、その多くは住宅ローンに組み込むことが可能です。
物件価格はもちろん、その他の費用についても、以下のように整理することができます。
| 費用項目 | 住宅ローンへの組み込み |
|---|---|
| 手付金 | ×(一時的に現金が必要) |
| 頭金 | △(フルローンの場合は不要。自己資金として用意する場合は現金) |
| 仲介手数料 | ◯ |
| 印紙税 | ◯ |
| 登記費用 | ◯ |
| 固定資産税 | ◯ |
| 住宅ローン事務手数料 | ◯ |
| 住宅ローン保証料 | ◯ |
| 火災保険・地震保険などの保険料 | ◯ |
| ホームインスペクション費用 | ◯ |
| リフォーム費用 | ◯(リフォーム一体型住宅ローンなどを利用) |
| 不動産取得税 | × |
| 引越し・新しい家具・家電代 | △(一部の金融機関のみ対応) |
引越し代や家具・家電費用については、一部の大手金融機関で諸費用として借入可能ですが、すべての金融機関で対応しているわけではありません。
リフォーム費用も金融機関の商品によって扱いが異なるため、ローン選びの段階で確認しておきましょう。
費用を支払ったのに契約がキャンセルとなった場合
契約後の一定の期間を過ぎたあとで、買主の都合で契約をキャンセルする場合は、これまで支払った手付金などの費用は戻ってこないので注意が必要です。
一方、売主の都合で契約がキャンセルされる場合は、売主から買主に手付金の2倍の金額が支払われる仕組みです。
契約前には、こうしたキャンセル時のルールについてもしっかり確認しておきましょう。
資金計画に不安がある場合

中古住宅の購入には、物件価格以外にもさまざまな費用が発生します。
「自分の年収でどれくらいの物件が買えるのか」「諸費用も含めて、いくら準備しておけば安心なのか」など、資金計画に関する不安は多くの方が抱えるものです。
そんなときは、コンシェルジュへ相談してみてはいかがでしょうか。
東急株式会社の「住まいと暮らしのコンシェルジュ」では、住宅ローンの選び方や資金計画のシミュレーションなど、お金に関する不安を整理するためのサポートを提供しています。
お客様の状況に寄り添い、無理のない選択肢をご案内いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
中古住宅購入時の注意点・ポイント

中古住宅の購入では、新築とは異なる視点での確認も必要になります。
ここでは、購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、押さえておきたい注意点とポイントを紹介します。
必要になる金額の把握をしておく
中古住宅の購入は、新築より安価に済むケースが多くあります。しかし物件価格そのものが安いから...と予算を少なめに検討しておくと、諸費用やリフォーム費用など、想定以上の出費に慌ててしまうかもしれません。
中古住宅であっても購入時の資金計画を立てる際は、「予算以上になること」も念頭に入れた上で、余裕を持った計画を立てておきましょう。
費用節約のポイントを把握しておこう
中古住宅の購入では、工夫次第で費用を抑えられるポイントもいくつかあります。
たとえば売主が直接販売している売主物件の場合、間に不動産会社を介さないため、仲介手数料そのものが発生しません。仲介手数料は数十万〜100万円以上になることもあるため、物件選びの段階で確認しておきたいポイントです。
また、リフォーム費用についても「どこにお金をかけるべきか」の優先順位を決めておくと安心です。生活に直接かかわる水回りや断熱、耐震性能などはお金をかける、その一方で見た目だけの部分は後から少しずつ整えていく...という考え方もあります。
建物の状態は細かくチェックを

中古住宅は、新築と違って建物にすでに経年劣化が生じています。購入後にトラブルが発覚することを防ぐためにも、内見時には建物の状態をできるだけ細かくチェックしましょう。
上記のチェックに加えて、ホームインスペクションの依頼も検討してみてください。専門家の目で建物の状態を確認できるため、見えない部分の劣化や今後必要になるリフォーム内容なども、把握しやすくなります。
なお、心理的瑕疵については、自然死や不慮の事故死は原則として告知が不要とされています。気になる場合は、不動産会社に確認しておくと安心です。
周辺環境を把握しておく
物件そのものの条件だけでなく、周辺環境の確認も中古住宅選びでは欠かせないポイントです。
たとえば、目の前の道路の交通量やスーパー・学校・病院などの距離、可能であればご近所の人がどのような人なのかも、確認しておくとよいでしょう。
また、物件の周辺環境は、時間帯や曜日によって雰囲気が大きく変わります。「平日昼は静かだけど、夜になると交通量が多くなる」「土日は近隣の施設で人が増える」などといったことも多いため、時間帯や曜日を変えて複数回訪問してみることをおすすめします。
また将来の環境変化についても予測しておくことが大切です。たとえば近隣に空き地や駐車場がある場合、将来そこに高い建物が建つ可能性も考えられます。
災害時における自宅の危険度も、必ず把握しておきたいポイントのため、ハザードマップの確認も忘れないようにしましょう。
まとめ
中古住宅の購入は、注文住宅や新築の建売と比べると、安くスピーディーと思われがちです。しかし実際は中古住宅だからこそ、確認すべきことや判断すべきことが数多くあります。
たくさんの苦労や手間を乗り越えて、手に入れるわが家は喜びもひとしおです。
後悔のないよう、費用面はもちろん建物の状態や周辺環境などのポイントもしっかり押さえて、納得のいく住まい選びを実現しましょう。
ひとりで進めるのが不安な場合は、専門家の力を借りるのもひとつの方法です。東急株式会社の「住まいと暮らしのコンシェルジュ」では中古住宅購入における、費用・物件探しなどのご相談をお受けしています。
中古住宅の購入を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。


