終活(葬儀・お墓の準備など)のご相談、承ります

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50~60代になると、親の葬儀や先祖の墓のことを考える機会が増えますよね。それをきっかけに、自分の終活についても考え始めた方が少なくないでしょう。

少子化が進んだ今、従来の葬儀やお墓のあり方が現実にそぐわなくなってきました。これまでの人生で得た経験や知識だけでは、解決できないケースも出てきています。

いざ「自分の終活をしておこう」と思っても、何から考えたらいいのか、きっと戸惑うことでしょう。今から少しの時間、本稿で一緒に「昨今の葬儀やお墓事情」について学び、終活に役立ててみませんか?

昨今の葬儀(葬式)事情

昨今の葬儀では、従来の一般葬が少なくなり、家族葬直葬が増加しています。

このような安価でコンパクトな葬儀は、少子高齢化を背景に主流になりつつあります。子ども一人あたりの負担が増えたことや、長生きで交友が少なくなった故人の人間関係を反映しているのです。

簡素なお葬式を望む人が増えたことや、ソーシャルディスタンスの推奨も、家族葬や直葬を後押ししています。まずは、このような葬儀の特徴からご紹介しましょう。

家族葬とは?



最初にご紹介するのは、家族葬です。家族葬の概要や、メリット・デメリットについてご説明します。

家族葬の概要



家族や故人とごく近しかった方のみの少人数でおこなうお葬式を「家族葬」と呼びます。

家族葬の式の流れは、基本的に一般葬とほぼ同じです。たとえば仏式なら、お通夜をおこなった翌日に告別式、火葬と進んでいきます。

ちなみに、平成29年に公正取引委員会がまとめた調査報告書によると、一般葬や家族葬、直葬の割合は以下の結果でした。

  • 一般葬:63.0%
  • 家族葬:28.4%
  • 直葬:5.5%


参考:葬儀の取引に関する実態調査報告書

同資料によると、一般葬は減少傾向で、家族葬は増加傾向にあるようです。これから終活をされる方は、一般葬だけでなく家族葬も選択肢に入れて、計画を作成する必要がありそうです。

家族葬のメリット



家族葬は、気心の知れた少人数でおこないます。それによって、さまざまな長所があります。代表的なものを、3つご紹介しましょう。

  1. 故人とゆっくりお別れができる
  2. アットホームなお別れにできる
  3. 費用の総額は低くなる傾向がある


家族葬は少人数でおこないますので、準備のご負担や参列者への気配りが軽減されます。その分、ゆっくり故人との別れに向き合えますので、ご遺族の心痛も少しは和らぐのではないでしょうか。

故人や遺族の想いを反映しやすいのも、家族葬の長所です。故人が好きだったものを展示したり、故人の行きつけのお店で食事をしたり、世間体を気にすることなく自由な内容の葬儀にできます。

また、家族葬の費用総額は低くなる傾向があります。ただし、ご遺族の費用負担が減るとは限りません。参列者が少ないということは、香典も少なくなります。

家族葬のデメリット



参列者を限定してコンパクトに執り行う家族葬には、デメリットもあります。代表的なものを3つご紹介しましょう。

  1. 参列をお願いする方の線引きが難しい
  2. 訃報を知らせるタイミングが難しい
  3. 葬儀後に、弔問客が増えるかもしれない


家族葬には故人と近しい人も参列することがありますが、「近しい」という基準はとても曖昧です。個人の感覚によるところが大きく、認識の違いで人間関係にヒビが入らないとも限りません。

家族葬のあと、故人と親しかった方に訃報を知らせると「なぜ、もっと早く教えてくれなかったのか」と不満を浴びせられるケースもあるでしょう。礼を逸しないよう、配慮も必要です。

また、家族葬にすると、故人との別れに立ち会えない人が増えます。その結果、葬儀後に自宅へ弔問に訪れる方が、一般葬に比べて多くなるかもしれません。

生前からシンプルな葬儀を望む方が増え、かつ参列者数が減っている現代では、家族葬は時世にマッチしていると言えます。しかし、長所ばかりでないことは留意が必要です。

直葬(火葬式)とは



つづいてご紹介するのは、直葬です。直葬の概要や、メリット・デメリットについてご説明しましょう。

直葬の概要



通夜や告別式をせず、火葬のみおこなうお葬式を「直葬」と言います。直葬も、家族葬と同じく親族や近しい関係者のみが参列して葬送をおこないます。なお「火葬式」も同じ意味で使われる言葉です。

ちなみに、日本では死後24時間以内に火葬をすることは法律で禁止されています。ですから、直葬では火葬まで遺体を安置する場所を確保しなければなりません。

とくに都市部では、火葬場の予定に空きがなく、何日も待たされることも考えられます。自宅に安置できないなら、葬儀社や火葬場の霊安室を使わせてもらえるように手配する必要があります。

直葬のメリット



直葬のメリットは、家族葬のメリットと似ています。コンパクトな葬儀であることから、準備や遺族の心身の負担が減るでしょう。

直葬は、通夜や告別式をおこなわない分、一般葬に比べて費用が大幅に下がります。ただし香典も少なくなるので、遺族の金銭的負担が減るとは限らない点も家族葬と同じです。

直葬のデメリット



直葬のデメリットも、家族葬のデメリットと似ています。誰に参列してもらうかの判断が難しく、かつ故人とのお別れに立ち会えなかった方々については、葬儀後に対処しなければなりません。

さらに、以下のふたつについても注意が必要です。

  1. 親族や菩提寺(ぼだいじ)とトラブルになる
  2. 葬祭費が支給されない自治体がある


直葬により通夜や告別式を省いたことで、親族や菩提寺との関係が崩れてしまうケースがあります。読経や供養なしに納骨することは菩提寺が認めてくれない可能性もありますので、事前に相談しておくべきでしょう。

また、健康保険では葬祭費の支援制度を設けていますが、直葬は「葬祭がおこなわれていない」との理由から、支給しない自治体があります。お住まいの地域はどうなっているのか、確認しておきましょう。

参考:国民健康保険法 第五十八条

昨今のお墓事情

つづいて、昨今のお墓事情をご紹介します。お墓についても、葬儀と同様に既存の枠組みでは解決できないさまざまな問題が出てきています。

お墓にまつわる諸問題



まずは、昨今お墓に関してどのような問題があるのかご紹介します。

お墓の維持が困難に



少子化やライフスタイルの多様化で家墓の維持が困難になり、墓じまいをする人が増えています。子々孫々故郷にあるお墓を継承していくことは、もはや当たり前ではなくなりつつあるのです。

無縁墓の増加も社会問題になっていて、自治体が無縁合同墓の整備に乗り出しています。何年も家族と連絡が取れない無縁墓は撤去後に合同墓へ移されますが、墓地管理者にその費用がのしかかっています。

そもそも、現在の「火葬⇒埋葬」のスタイルが定着したのがここ100年程度のこと。土葬に戻ることはないとしても、今後も世相に合わせてお墓のスタイルが変化していくことは十分考えられます。

終活でお墓のことを考える際は、これまでの慣習より、今後の時世をみて判断する必要がありそうです。

改葬の増加



お墓を引っ越す「改葬」が増えているのも、世相を表す動きのひとつです。厚生労働省がまとめた「衛生行政報告例」を見ると、改葬件数がここ10年で急増しているのがわかります。

  • 1999年:約6.7万件
  • 2009年:約7.2万件
  • 2019年:約12.4万件


参考:衛生行政報告例

かつては、同じ集落に親族が住み、付き合いが濃厚でした。しかし、時代とともに親戚付き合いは希薄化し、長男等の跡継ぎが故郷を離れ戻らないケースも増えています。

そのようなケースでは、お墓を移したいと考える方も出てくるでしょう。疎遠になっているお寺との付き合い方を見直し、お墓をお寺から公営墓地に移す人もおられます。

子どもがいない方や、子どもに墓守の負担をさせたくないとお考えの方もおられます。そんな方々は、継承を前提としない共同墓への改葬や墓じまいを希望されています。

お墓に対する価値観の多様化



お墓は、死後の住まいです。そう考えると「誰と、どの墓に入るか」は人生最後の重要な選択事項でしょう。

これまでの「家族全員が家族だけの墓に入る」という常識も、少しずつ変わっています。夫の一族の墓に入らない女性や、共同墓への埋葬を希望する方がおられるのは、周知ですよね。

一緒に墓に入ることを前提とした交友関係(墓友)もあります。このような変化の中で、自分が入るお墓は終活で決めておくべき重要な項目になっています。

さまざまな納骨スタイル



最後に、最近注目されている埋葬スタイルを4つご紹介します。

  1. 納骨堂
  2. 手元供養
  3. 樹木葬
  4. 散骨


いずれも、現在注目を集めている納骨スタイルです (厳密には散骨は「納骨」ではない)。選択肢のひとつとして、頭の片隅に置いておくとよいでしょう。

ただし、お墓は故人ではなくご遺族のためにあります。自分がこの世を旅立ったあと折に触れて供養してくれるご家族の意見にも耳を傾け、納骨方法を選択されるとよいでしょう。

それでは、それぞれ詳しく解説していきましょう。

納骨堂



納骨堂は、お墓を建てるまでの間、一時的に骨壺を安置する施設として利用されていました。近年は、墓をつくらず永久に納骨堂に保管する人が増えています。

そもそも、東京などの都市部では広大な敷地の確保が難しく、新たな墓地の造成は現実的ではありません。そんな地域では、狭小地でもつくれるビル型の納骨堂が増加傾向にあるのです。

納骨堂は、墓に比べて初期費用が安くなります。墓掃除も不要です。交通の便が良い場所にある施設が多くお参りしやすいことも、納骨堂の利用者が増えている要因のひとつでしょう。

手元供養



遺骨を自宅に安置して供養することを「手元供養」と言います。ひと昔前なら四十九日に成仏を願って墓へ納骨するのが一般的でしたが、この考え方も「当たり前」ではなくなりつつあります。

これまでも、故人を身近に感じていたい方が一次的に遺骨を自宅で供養されるケースはありました。しかし最近は、お墓をつくらないための手段として手元供養を選ぶ方がおられるのです。

なお、法律上、遺骨を埋葬できるのは墓地のみです。しかし、ご自宅に安置する分には問題ありません。

参考:墓地、埋葬等に関する法律 第四条

樹木葬



樹木葬は、女性を中心に人気が上昇しています。それにともない、墓地数も増えています。

樹木葬は、墓石ではなく、木や植物を墓標にします。ただし、上述のとおりどこでも自由に納骨できるわけではなく、遺骨は墓地内の樹木葬エリアに埋蔵する必要があります。

樹木葬に人気が集まっている理由は、見た目の清々しさと、自然に還るというイメージでしょうか。もしそうなら、遺骨は完全に土に還りませんので、その点は留意すべきでしょう。

散骨



お墓に納骨せず、海や陸地への散骨を希望する方も少なくありません。しかし、散骨は現在の法律や条例の想定外の行為であり、しばしば問題になっています。

法律により墓地以外への納骨はできませんが、散骨は納骨にあたらず判断が分かれるところです。散骨のガイドラインを定めている自治体もありますので、よく調べてから選択されるべきでしょう。

たとえば、北海道の長沼町では過去に散骨でトラブルがあり、現在は条例で制限しています。

終活の準備はお済みですか?相談承ります

2012年、ユーキャン流行語大賞のトップ10に「終活」が入りました。それ以来、自分のエンディングを自分で考えておきたい方が増えています。

しかし「終活」は、一人ひとり形が違います。変化が著しい時代に参考にできる先例もなく、いざ終活を始めてみたものの戸惑っている方も少なくないでしょう。

東急株式会社「住まいと暮らしのコンシェルジュ」では、終活のご相談も承っています。一度考えてみたいと思われたら、お気軽にご相談ください。

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死後発見されないなどの不安要素もありました。
そこで、法務局で遺言書を保管する制度を創設、保管料も安く設定することで、遺言作成を促し、争族を防ぐ狙いです。

遺言書の保管の申請は、遺言者の住所地または本籍地または遺言者が所有する不動産の所在地を所管する遺言書保管所(法務局)の遺言書保管官に対して行うことができます。

保管対象となるのは、自筆証書による遺言のみ。また、遺言書は封のされていない法務省令で定める様式に従って作成されたものでなければいけません。

遺言書の保管の申請や閲覧請求、遺言書情報証明書または遺言書保管事実証明書の交付の請求には手数料がかかります。
これらの詳細は、施行日である2020年7月10日までの間に定めることになっています。
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遺言者の死亡後に相続人に遺言書の閲覧や遺言書情報証明書の交付がなされると、遺言保管官は、ほかの相続人に対して遺言書を保管していることを通知することになります。
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このように、遺言書作成のハードルが下がり、安全性が高まり、裁判所の検認が不要になるなど、メリットが大きい自筆遺言の新制度をあなたも検討してみてはいかがでしょうか?


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