【まとめ】路線価から見る東急線

【まとめ】路線価から見る東急線

2019年と2015年の路線価から東急線の駅・路線の動向を探ります

路線価は毎年7月1日に国税庁より公示されます。路線価とは路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額(千円単位で表示)のことと国税庁HPに記されています。この路線価の数値は相続、遺贈又は贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用されますが、1年ごとの数値の変化を追うことで、その地点、エリアが過去から現在にかけてどのような動きがあったのかを探ることができます。

このコラムでは2019年と2015年を比較し、路線価の「上昇率」と2019年路線価の「最大値」から東急線の動向を探ります。

Column1では全体編として、Column2以降は各路線に分けてご紹介します。
なじみのある駅、路線について、あまり知らなかった駅や路線についても理解を深めませんか?

※本まとめページに掲載のグラフはいずれも対2015年の路線価上昇率です。最大値については各コラムの続きをご覧ください。

【Column1】全体編

東急線全97駅の2019年と2015年の路線価を比較し、対2015年の上昇率をグラフにしたものです。なお、ここでは田園都市線と世田谷線の三軒茶屋駅を同一とカウントしますので、合計96駅とします。
マイナスを記録したのは1駅、それ以外は上昇率0%以上を記録しました。平均は14.3%となり、前後±5%内で約2/3を占めます。全国的には2.5%の上昇率とのデータもありますので、東急沿線の上昇率は高い部類に入ると言えます。続きを読む

路線価から見る東急線(全体編)

【Column2】田園都市線&こどもの国線

路線価上昇率をグラフ化したものが上記です。
全駅でプラスの上昇率となっており、田園都市線の安定した人気が窺えます。
一番上昇率の大きい二子玉川駅から見ていきましょう。2015年に対し64.8%の上昇率とはつまり2019年は164.8%の数値という読み方になります。路線価が1.6倍以上になったという訳ですから驚きですね。これは「二子玉川ライズ」の影響と考えられます。続きを読む

路線価から見る東急線(田園都市線)

画像/第二期事業の竣工した二子玉川ライズ

【Column3】東横線

路線価上昇率をグラフ化したものが上記です。横浜駅のみマイナスですが、他駅はプラスの上昇率となっています。上位3駅は40%を超しており、大幅な上昇といえます。一番数値の大きい代官山、次点の渋谷をまとめて探っていきましょう。
2015年に「LOG ROAD DAIKANYAMA(ログロード代官山)」がオープン、2016年には隣駅の中目黒駅から代官山駅側にかけて「中目黒高架下」がオープンし飲食店を中心にさまざまな業種の店舗が日々賑わいを見せています。続きを読む

路線価から見る東急線(東横線)

【Column4】大井町線

路線価上昇率をグラフ化したものが上記です。
全駅でプラスの上昇率となっており、大井町線の安定した人気が窺えます。
一番上昇率の大きい二子玉川駅は田園都市線のコラムをご覧ください
次に上昇率の高いのは自由が丘駅です。東横線と大井町線が乗り入れ、両路線の乗換駅として多くの人が利用しています。大井町線が溝の口駅まで延伸し、田園都市線や南武線から溝の口始発の大井町線の乗換利用客が増え、乗降客数も2009年以降増加が続いています。続きを読む

路線価から見る東急線(大井町線)

画像/自由が丘駅 正面口 2013年
   撮影 新建築社

【Column5】目黒線

路線価上昇率をグラフ化しました。
一番大きな上昇率になったのは武蔵小杉駅です。こちらは東横線の記事でも触れた通り、2000年頃から続くタワーマンション建設や再開発が大きく影響していると考えられます。次点の目黒駅ですが、2017年に駅前の好立地に大型タワー物件が竣工しました。1000戸近い共同住宅と商業・オフィスの大型複合再開発で注目を集めました。続きを読む

路線価から見る東急線(目黒線)

【Column6】池上線

路線価上昇率で一番大きな値となったのは戸越銀座駅です。戸越銀座駅は2016年に木の温もりのある駅舎にリニューアルしたことでも話題になりました。駅前には大きな商店街が広がり、商店街を15分ほど歩くと再開発が進む目黒線武蔵小山駅にもアクセスが可能です。続きを読む

路線価から見る東急線(池上線)

【Column7】東急多摩川線

東急多摩川線は他の東急線の路線に比べ、駅数が少ないため上位2駅のみピンク色で表示しています。最も上昇率が高いのは鵜の木駅、次点が沼部駅です。東急多摩川線内では上位ですが東急線全体の平均上昇率は14.3%ですから、東急線全体で比較すると平均値を少し上回る上昇率です。東急多摩川線沿線では、近年大きな開発は少ないですが事業、低層マンションや分譲戸建ての建設は継続して行われています。続きを読む

路線価から見る東急線(東急多摩川線)

画像/武蔵小杉周辺から東急多摩川線沿線エリアを望む

【Column8】世田谷線

世田谷線内で突出した値の駅はなく、13%~18%の間にほぼ全駅が収まり、上昇率1位の西太子堂駅のみ20%を超えています。1位の西太子堂駅と2位の三軒茶屋駅は、田園都市線内で取り上げた三軒茶屋駅の再開発による地価上昇が要因と考えられます。また、三軒茶屋から西太子堂駅にかけてのエリアは東京都が制定した「住宅市街地整備計画」の整備地区・重点整備地区内になっています。そのため、道路拡張が進んだり、住宅建て替え需要が増えたりと街の活性化につながったものと考えられます。続きを読む

路線価から見る東急線(世田谷線)

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